マイタワーの作成


タワーのバランス如何ではタワーマジックは一瞬で終わってしまったりしてとてもつまらないものになってしまいます。
そこで、自分でタワーを管理している人はいくらかバランスを調整する必要があります。
この項ではバランスを調整するにあたって、その一例となるような調整方針を示して解説しています。
 
相対的弱体化
あるカードが強すぎると感じた場合には、そのカードをタワーから抜いて別のカードを投入するということもありますが、
あえてそうせずに、それに対する対策になるようなカードを増加させて、そのカードを相対的に弱体化させるという手法を取ることもできます。
例えば、《崇拝/Worship》が圧倒的に強いタワー環境であるならば、《崇拝/Worship》を抜いてしまうのではなくて、
《解呪/Disenchant》などのエンチャント破壊カードを増加させる事でバランスを取る事が出来ます。
 
役割の変化に関する注意
タワーマジックはその性質上、カードの役割(開発者が意図した効果)が本家MTGのそれと大きく違うものになってしまうことがあります。
例えば、《占い/Soothsaying》のようなライブラリー操作カードをライブラリー共有ルールで使用すると、出したプレイヤーが一方的に相手のドローを制御できてしまうので強力すぎるカードになってしまいます。
こういった場合は、タワーから除外するなどして調整すべきでしょう。
また、こういった役割の変化を逆に利用したタワーデザインができることもあります。
例えば、《ブーメラン/Boomerang》などのバウンスカードは、通常相手のパーマネントを戻してテンポを稼いだり、自分の破壊されそうなパーマネントを保護するなどの形で使われます。
しかし、タワーは土地が呪文なので、土地を戻して呪文として再利用するなどという戦術も可能になってきます。
これは本来のカードの役割とは異なりますが、適正なバランスの範囲内なので、あえてこういったものをタワーに加えてみると戦略の幅が広がってより面白いと思います。

クリーチャーの質
クリーチャーの質をうまくコントロールしないと、運でゲームが決まるいわゆる引きゲーになりやすくなります。
これは前述の「土地とカードアドバンテージ」の話とも関連してくるのですが、
基本的に大きいクリーチャーは小さいクリーチャーよりも生み出すアドバンテージは大きいです。
従って「大きいクリーチャーを引きやすいタワー」である場合には、プレイヤーは小さいクリーチャーを並べるよりも、それらを土地にして大きいクリーチャーを並べようとします。
その方がカード一枚あたりの生産性が高いからです。
大きいクリーチャーを中心的に活躍させるというコンセプトのタワーならこれでも良いのですが、
サイズの小さいクリーチャーも活躍させたい場合には最悪でも大きいクリーチャーを引く確率よりも、小さいクリーチャーを引ける確率の方が高くなるようなタワーにしなくてはなりません。
細かな調整は何度もプレイして実感でつかむしかないのですが、これを念頭においておくとクリーチャーのバランス調整に関しては少しやりやすいと思います。

クリーチャーの比率
タワー全体に対するクリーチャーの比率が低いと、クリーチャーを沢山引いたもの勝ちのようなゲーム展開になってしまいます。
そこで、ある程度呪文とクリーチャーの比率を調整する必要があります。
リミテッド的な展開を理想とするならば、五割程度の比率が良いようです。
仮にそれ以下にするとしても、除去の比率を上げないとどうしてもクリーチャーを引いたもの勝ちになってしまうので、結果としてクリーチャーを少なくしても呪文を増やせるということにはなりません。
呪文を増やしたければタワー全体の量を増やす事をおすすめします。
 
色拘束
タワーマジックにおいて、色拘束はカードのバランスに大きな意味をもっています。
色拘束の強いカードをプレイするためには、それだけ同色のカードを土地としてプレイしなければなりません。
さらに同色の土地を並べれば並べるほど手札からその色のカードが減ってしまい、沢山その色の土地を並べる意味が薄くなってしまいます。
つまり、色拘束の強いカードは通常のMTGとは異って、見た目以上にコストを要求されているということになるのです。
これを考慮すると、ダブルシンボル以上のカードは出来る限りシングルシンボルのカードよりも強力でないと使用されずに土地になってしまうということがいえます。
 
逆転要素
《黙示録/Apocalypse》とか《要撃/Waylay》とか《砂の逆流/Reverse the Sands》とかです。
簡単に言うと、有利な状況ではほとんど意味をもたないけれど、不利な状況では効果を発揮するカードを積極的に投入すれば、
簡単にゲームが終わらなくなるのでより長く楽しめるという考え方です。
また、これに絡めて、有利な状況をさらに有利にするカードは個人的に避けるようにしています。
例えば、《ハルマゲドン/Armageddon》とか《冬の宝珠/Winter Orb》とかです。
完全に好みの問題ですが、個人的には結構重要だと思っています。
 
クロックサイズ
クロックになり得るカードのサイズを小さめに設定することで、ゲームはより長時間続かせる事が出来ます。
実際にどれくらいの時間になるかは他の強化カードなどの影響もあるので一概には言えませんが、運ゲー率を下げるという意味では結構重要だと思います。
例えば、《大気の精霊/Air Elemental》を出されると、対戦相手には五枚(5ターン)分の猶予しかありませんが、 《風のドレイク/Wind Drake》なら10枚(10ターン)分の猶予が与えられるので、対処できる可能性が格段に上がります。
回避能力を何も持たないクリーチャーは、クロックにならないことが多いのであまりこれを考慮する必要はないかもしれません。
また、クロックが小さければ小さいほどライフを得るカードが相対的に強くなるという効果があるので、ライフゲインカードを積極的に利用させたい場合はクロックを小さくするとよいでしょう。



back